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  1. 「まーくんの身体が弱いことや突然の体調不良を、大変って思うときだって、今日じゃなければって思うときだってそりゃあるよ。相葉の兄さんたちだって今まで1回もそう思ったことないなんて、ないでしょ?そんなのさ、本当の家族だからとか、途中からの家族だからとか、はっきり言って関係なくない?迷惑なんて、生きてりゃみんなかけるもんなんだから」だからなあ、和くんや。何回も言うけど、俺ら今日初対面よ?なのにお前というやつは、そんな本当のことをずばずばと。見てごらんなさいよ、ふたりを。見てごらんなさいよ、特に潤くんを‼︎ちーんってなっちゃってるだろ?ちーんって‼︎これ撃沈ってやつだろ?そうだろ?この撃沈は、雅紀を大事にしてるから。溺愛してるからこそ。雅紀は彼らにとって大事な大事な、かわいいかわいい弟。だから無条件で愛して、世話を焼きたいのに、時にそればかりじゃいられない。もう少し丈夫だったら。せめて今日じゃなかったら。それさ、まじそう思う瞬間ってあるんだよな。何で今日⁉︎何でこのタイミング⁉︎ってな。俺はこのふたりと同じ、世話をする側の人間だったから、すげぇよく分かるよ。分かっちゃうのよ。そして世話をされる側の本人が、それを一番悪いって、申し訳ないって思ってるってことも、すげぇ分かる。「そんな顔しないでよ。ただ、それが普通だよってこと。本当の家族だって、そう思うもんだよってこと。気にするとこそこじゃないよってこと」「………」「そう思うとさ?相葉さんちにとってお得じゃない?俺らって」「得?」「得。お得。だって俺らはある程度同じ境遇で、俺なんかは足が不自由な上に立派な引きこもりなわけじゃん?そんな俺がまーくんの兄ちゃんになるんだよ?しかも翔ちゃんは翔ちゃんで俺で免疫ついてるんだよ?」「免疫て、和」「ついてるでしょ?」「まあ、確かに。ついてるけども」退院して、やっと学校に通えるようになったのに、和は学校に行くことを拒んだ。そんな歩けないしって。だから俺が毎日車椅子押して送り迎えするよって、免許がとれる年になったら速攻免許とって車でするよって、家から出ようとしない和にどれだけ言ったか。時に言い合いにもなってな。あの頃は大変だったなあ。うちも。って、今は懐かしんでる場合じゃないか。「利用なんか、すりゃいいじゃん。迷惑なんかどうせかけるんだから、かけりゃいいじゃん」「なっ………」「いいよ。別に。ねぇ?翔ちゃん」「そうだな」「いいよって………そうだなって………何でそんな………」「だって俺ら、まーくんをかわいいなあって思っちゃったんだもん。理由があるとしたら、そんなよ。それだけ。そんな真面目な顔して深く考えなくていいって」「いやいやいや、だからってそんな軽くは………」「深く考えたら、答えなんて全部NOになるに決まってんじゃん。ほんとにさ、本当気にしなくていいんだって。ほっとけないんだって。俺らが、櫻井家の3人でさ。分かるから。翔ちゃんは兄さんたちの気持ちが。俺はまーくんの気持ちが。母さんは相葉父さんの気持ちが。だから、俺らでできることはやるよって、ただそんだけ」おいおい、和くんや。キミがそこまで言っちゃうと、全部言っちゃうと、翔ちゃんはもう何も言うことがないじゃないか。ここはいいとこ見せるとこなのに。「もちろん、じゃあ今日の明日でがっつり一緒に暮らして家族になりましょうなんて、そんなことは言いません。俺らもさすがにそこまでは。でも、とりあえず週に1回、こうやって顔を合わせましょうとか、そんなとこからやってみませんか?相葉さんとおふたりが仕事で遅くなるときに雅紀と留守番とかからでいい。これも何かのご縁です。家政婦さんがダメなら、俺らでどうかってことをやってみません?」追加があるとしたらそんなとこかな。真顔で聞いてる智くん。終始困惑しっぱなしの潤くん。まあ、確かにそんな反応になるよな。俺だって思ってるよ。おかしいなあって。俺らも利用されるなんてまっぴらだって思ったはずなのに、まさか自分たちから協力するなんてな。けど。雅紀を見たが最後。和で経験してきたことが役に立つだろうし、本当、これもご縁だ。「………ありがとうございます。父や雅紀と、もう1回相談してみます」潤くんの言葉に、俺と和は目を合わせて笑った。気分は晴れやかだった。今日もコメントお待ちしてます👏

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  2. 久し振りにぐっすり眠れてスッキリした目覚めカーテンを開けたらMagichourの空が広がっていた「随分早く起きたな(笑)」春とは言えまだ肌寒いパジャマの上にパーカーを羽織り携帯を持って家の外に出ることにしたこの綺麗な空の写真が撮りたくて部屋を出ると既に母ちゃんは起きてて朝ご飯の支度の真っ最中「あら、智 早起きね」キッチンから声が聴こえてくる音だけで僕だって分かる母ちゃんは凄いな(感心する)「うん、ぐっすり眠れたから 目がパチッと開いた ・・・ ちょっと外に出てくる」廊下から返事をしてそのまま玄関に向かった「寒いから、上に何か着なさいよ」心配の声が追いかけて来て「着てるよ」と返事だけした外に出ると冷たい空気が頬に当たり思わず首を竦めて「寒いな」と言葉が漏れるそれでも、外に出る価値がある景色ゆっくり明けていく空は見ているだけで心が浄化していく新しい一日の始まりだ ・・・夕焼け空も美しいけれど朝のこの時間は特別に思える何故なら、滅多にお目に掛かれないからだ(大概、寝てる)自然が作り出す景色はどんなに人がそれに似せて作りだそうとしても全く歯が立たない写真に撮ったとしても目に移っている景色には敵わないのだからまだ寝てるかな?彼のラインに写真を送ることにした「おはよう 寝てたらごめん 今朝のMagichourの空 お裾分けだよ」言葉を添えて写真を送信完全に陽が昇るまで家の周りをゆっくりと散歩したスエット上下にパーカー姿だから不審者には見えないと思うけど今年は寒い日が続いたようで近所の桜も控え目なのか蕾があまり膨らんでいない帰る前に咲いてくれたらいいのに ・・・そんな事を思いながら咲き始めた姫コブシの写真をパチリその後すぐに携帯が鳴る「もしもし、おはよう」半分寝てるのか起き抜けの声が聴こえてくる「起こしちゃった?」「うん、寝てた ・・・」「それはごめん」「謝らないでよ この時差のない時間を共有できることが 嬉しいんだから」寝ぼけてた声が少しずついつもの声に変わっていく「確かにそうだね(笑)」「この写真は家の外?」「うん、ちょっと近所を散歩中 と言っても、寒いから直ぐに帰るつもりだけど」「温かくしてる? 風邪ひかないでよ」「そこはバッチリ対策してるよ」「それなら良いけど ・・・ 綺麗な写真だな 思わず見とれちゃったよ」「そうだろ? 夕焼け空の遭遇率は高いけれど この時間の空は 見ようと思ってないと無理だから」一分でも長く寝ていたいって思う日の方が多い早起きする日は大概予定があって景色を楽しむ余裕はない「確かにそうだわ 見ようとしないと見れないな お裾分けありがとう」「どういたしまして」「今日って何時に来る?」「昼前にそっちに着く予定 時間は内田に任せてて 僕は他力本願だから(笑)」「母が大騒ぎだから」クスクス笑いながら話す彼「大騒ぎ?」「ああ、昼ごはんも家で食べてもらうんだって 昨日から仕込んでるよ(笑) ローダンセの会ご宿泊で テンションMaxだから 一応、覚悟をしておいて(笑)」「ふふ どこのお母さんも一緒だな 家の母ちゃんも正月前は凄かった」お皿やグラスまで新調するって言うくらい上に下への大騒ぎだった「智のお母さんも?」「うん、因みに内田の母ちゃんも同じらしい」「親だから分かるんだろうな 大事な会の仲間だって」「うん、それはそうだと思う 『一生付き合っていける友人は大事にしなさい』って 事あるごとに言われてるよ」「それは家も同じ」彼が変わったんだろうか?それとも僕が変わったのかな?あんなに何も話してくれないと拗ねていた気持ちが「必ず話すから」の言葉でここまで変われるのだから僕も案外ゲンキンな奴だと思う「早起きは三文の徳 櫻井と話せて楽しかった そろそろ家に戻るよ」「それは俺のセリフ 智と話せて楽しかった 今日待ってるから」「うん、じゃあまた後で もう少し寝ても良いよ」「え? ・・・ 読まれてたか ・・・ もう少しだけ転寝を満喫するよ」「じゃあね」電話を切ったらすっかり陽が昇ってて頭の上には青い空が広がっていた<続きます>1週間の入院を終えて昨日退院しましたここからは通院での治療になります先の見えない治療だけれど免疫療法と抗がん剤の治療に願いを託して頑張ろうと思います折れそうになったら弱音を吐くかも知れないけれどその時はお許しくださいyayosato 

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    二人が歩く世界 27
  3. 櫻井さんの反応が面白くてかわいくてもっとからかいたくなってきた「じゃ、僕がシャワーしてる間にコソコソ観ててくださいね」「えー!?」「準備しておきます」「さ、智くん!?」僕はそのDVDをセットしてリモコンを櫻井さんの隣にそっと置いた「電気は暗くしておきますね」「え!本気で言ってるの!?」「今日するしないは置いといて、とりあえずコソコソ観て感想聞かせてくださいね、んふふ」「っ、さ、智くん!!」僕は笑いを堪えながら居間を出たパタンドアを閉めて深呼吸をしたそして胸がドキドキしているのを手を当てて確認した…緊張した…それに、狼狽える櫻井さんが新鮮だったもしかしたら怒っちゃうかもって少し心配もしていたからでも……例え観ていなくてもそれはそれでいいやって…こんな風にオープンにしてお互い恥ずかしさを少しでも取り除けたらって思ったやましいことでもないんだって自然な流れなんだってそんな風に櫻井さんと進めていけたら僕も安心だなって焦る気持ちももちろんあるけど…櫻井さんからもっとガツガツして欲しい気持ちもあるこの前みたいに…僕に欲情して欲しいって思うからでも…期待しないでおかないとな今日は…一緒に気持ちよくなれたらいいな櫻井さんと…裸で抱き合えるだけでも十分僕はドキドキしながらお風呂場へ入ったとりあえず…準備は済ませたこれはもう慣れたことだから二宮さんにはハッキリと言えなかったけど…僕はすでに後ろは開発済みここで一人で暮らすようになって暫くして…僕は少しずつ調べながら試してきたいつか誰かと…なんてことは考えたことがなかっただって僕がそんな人と巡り合えるとは思ってもいなかったから一人でする事にむなしさや罪悪感も感じなかった自然の流れだと思ったからだからか…櫻井さんに出会って…僕は前よりも性欲が強くなったのかもしれないだって相手がいるってことが奇跡だと思ったからたとえノーマルの櫻井さんでも…挿れる側はさほど変わりはないって感じたからって言っても…   いざその時がきたらできない可能性もあるってことを頭に置いておかないといけないだって…場所が場所だから未経験の櫻井さんだからこそ…そこは慎重にいかないと……どうしよう…不安になってきた…二宮さんのDVDってどんな感じなんだろう…無修正ってことはあるんだろうか…え!櫻井さんがそれを観て『無理!!!』ってなってたらどうしよう…面白がってあんなの観せなきゃよかった~!!!

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    Innocent 41
  4. こんにちは!元飲食店店長サムの小説ブログへようこそ!このブログでは今の仕事や生活に「このままでいいのか?」と悩みを抱えている方に向けてヒントとなるような小説を連載形式でアップしていきます。悩めるあなたの明日への活力となるような小説を綴っていきたいと思っています。⇩応援お願いします!⇩⇩まずは私サムのプロフィールをご覧ください!⇩⇩⇩⇩サムのメインブログはこちらからどうぞ⇩⇩それでは、今日のお話をお楽しみください!前回までのあらすじ眠れぬ夜に散歩に出た蒼は、深夜営業の鍵屋で神秘的な少女ルシアと出会う。彼女は「迷子の鍵」について語り、明日の夜に再び来るよう誘った。『【連載小説】鍵屋ルシアと99の扉 第2話「午前2時の鍵屋」』こんにちは!元飲食店店長サムの小説ブログへようこそ!このブログでは今の仕事や生活に「このままでいいのか?」と悩みを抱えている方に向けてヒントとなるような小説…ameblo.jp本編翌日の火曜日、蒼は一日中ルシアのことを考えていた。朝の会議中、上司の説明を聞きながらも、頭の中では昨夜の出来事が繰り返し再生されていた。あの青い瞳、鈴のような声、そして「迷子の鍵」という謎めいた言葉。「葉山くん、どう思う?」突然名前を呼ばれて、蒼ははっと我に返った。上司が資料を手に持って、こちらを見ている。「あ、はい。その、いいと思います」とりあえずそう答えると、上司は満足そうにうなずいた。会議が終わると、同僚が心配そうに声をかけてきた。「大丈夫?今日ちょっとぼーっとしてない?」「ああ、ちょっと寝不足で」嘘ではなかった。ただ、寝不足の理由を説明するのは難しかった。昼休み、いつものカフェで一人で昼食を取りながら、蒼は昨夜のことを整理しようとした。あの鍵屋は本当に存在したのだろうか。ルシアという少女は現実の人物だったのだろうか。でも、確かに覚えている。店内に並んでいた無数の鍵、古い振り子時計の音、そしてルシアの「明日の夜またお越し下さい」という言葉。夕方、定時になると、蒼はいつもより早く会社を出た。そして昨夜と同じ道を辿って、あの細い路地へと向かった。商店街に着くと、やはり「鍵屋」の看板があった。窓の向こうには暖かい光が漏れていて、ルシアの姿が見える。現実だったのだ。蒼が扉を開けると、ルシアは顔を上げて微笑んだ。「お待ちしていました、蒼さん」「昨日は、ありがとうございました」「いえいえ。今日一日、いかがでしたか?」その質問に、蒼は少し驚いた。まるで自分の心の状態を気にかけてくれているようだった。「正直、一日中あなたのことを考えていました。迷子の鍵って、一体何なんでしょうか」ルシアは作業していた手を止めて、蒼を見つめた。「お見せした方が早いかもしれませんね」そう言うと、ルシアは立ち上がって、店の奥へと歩いていった。蒼も後に続く。店の奥には小さなドアがあった。ルシアはそのドアを開けると、蒼を手招きした。「こちらへどうぞ」ドアの向こうは、信じられない光景だった。長い廊下が続いていて、その両側に無数の扉が並んでいる。古い木製の扉、モダンなガラスの扉、装飾の施された豪華な扉、シンプルな白い扉。どの扉も少しずつ違っていて、まるで扉の博物館のようだった。「これは...」「人生の扉です」ルシアが説明した。「一つ一つの扉の向こうには、異なる人生があります」蒼は言葉を失った。廊下は奥へ奥へと続いていて、扉の数は数え切れないほどあった。「異なる人生?」「そうです。あなたが選ばなかった道、他の人が歩んでいる道、もしかしたら選べたかもしれない未来」ルシアは一つの扉に手を置いた。「これらの扉を通して、様々な人生を見ることができます」「見ることが、できる?」「ええ。ただし、いくつかのルールがあります」ルシアは振り返って、真剣な表情で蒼を見つめた。「一つ目。扉の向こうは見ることしかできません。干渉することはできません」「二つ目。一度見たものは、心に残り続けます。忘れることはできません」「三つ目。必ず私と一緒に見て下さい。一人で扉を開けると、迷子になってしまいます」蒼は深く息を吸った。現実とは思えない状況だったが、なぜか疑う気持ちにはならなかった。「なぜ、僕にこんなことを?」「あなたが迷子の鍵を探している方だからです」ルシアは微笑んだ。「そして、きっと見つけることができると思うから」ルシアは最初の扉の前で立ち止まった。普通の木製の扉だが、どこか見覚えがあるような気がした。「最初の扉は、あなたにとって身近な人生をお見せしましょう」扉のノブに手をかけたルシアが振り返る。「準備はよろしいですか?」蒼の心臓が早鐘を打っていた。恐怖と期待が入り混じって、足が震えそうになる。でも、なぜか「見たい」という気持ちの方が強かった。「はい」蒼がうなずくと、ルシアはゆっくりと扉を開いた。扉の向こうから、暖かい光があふれ出した。<もしもの人生を覗く勇気はありますか?> 人生には無数の選択肢があります。選ばなかった道の向こうには、どんな世界が広がっているのでしょうか。そして、それを知ることで、あなたは何を感じるでしょうか。次回のお話は・・・蒼が最初に覗いた扉の向こうには、華やかに見えた同期・田中の「成功した人生」があった。だが、その裏にあったのは、孤独と葛藤――。“本当の成功”とは何か?蒼の心に、初めての問いが芽生える。※感想コメントなどいただけると励みになります!それでは明日もお楽しみに!『【連載小説】鍵屋ルシアと99の扉 第4話「同期の成功」』こんにちは!元飲食店店長サムの小説ブログへようこそ!このブログでは今の仕事や生活に「このままでいいのか?」と悩みを抱えている方に向けてヒントとなるような小説…ameblo.jpサムとお友達になってくれませんか?ブラックな飲食店での勤務を経て副業を模索して今や自由人のサムとお友達になって下さい(笑)昔の私と同じようにブラックな環境を余儀なくされているあなたや副業の必要性は十二分にわかっているけど何をしていいのかわからず悩んでいるあなた!サムが力になりましょう!脱サラを目指す方のためのプロジェクトです!まずはサムの公式LINEからお気軽にご相談ください!今なら友だち追加してくれたあなたに様々な特典をご用意しています!ご登録お待ちしております!

    【連載小説】鍵屋ルシアと99の扉 第3話「最初の扉」
  5. シナモンさんのお話を読んでいますが、時々出てくる嵐のお話は、以前のARASHIを知らない私には、とても嬉しいです。という内容のメッセージをいただいた。先日本箱を片付けていましたら、処分ファイルに混ざっていた記事(処分品なんて言ってゴメンナサイ)前後が繋がらないので、ファイルメンバーから外されていた。だけど…私には当たり前でもこんな1枚で喜ぶ人もいる……ところで……本を片付けてる時に、思わず読み進めちゃったりしたこと…ありませんか?ぱっと見てわかるように、頼りがいがある原くんといる大野さんは、子供っぽくて凄く自由で明るい人だった。ヤンチャなイメージさえあった。Jr時代の彼は野望もあって「絵を描きたい」と何度も言っているんですね。そして、色々読んで見つけちゃったのよめちゃ小さなコメントを10年後に僕の(絵の)個展で会いましょう。最後に(笑)とある。これが、当時の彼の夢……なんせ、ファイルから外された1枚だけど(小さくARASHIとあるから、既にデビューはしている。)一貫して個展をやりたいと言っていたんだね。綿棒や面相筆で描いたり、細部にまで細かな線に拘る、自分の作品をメンバーにも見て欲しい……と言っていたのは覚えているけれど。この時、原宿…更に六本木で個展をする未来が来るなんて、誰が思ったでしょう。御本人だって(笑)をつけてるんだもんジョークの中にも本音をしたためた。実際に個展が決まると「もし、原宿を歩いていて、僕の個展会場に遭遇したら、ちょっと寄ってみるか?って…軽い気持で立ち寄って貰えたら嬉しいです。」なんて、呑気なことを言っていた。まだ、自分がどのように見られているのか、意識が薄かった時代。立ち寄るどころのレベルではなかった。彼を支えるファンも、朝4時の電車に乗って、真っ暗な表参道の坂を全力で走るなんて、考えたこともなかった。そんな未来が来る予想も無かった。だけど…ムチ打って走ったんだ……忘れもしない真冬の午前4:55分の原宿群集にまざり、初めて死ぬ気で走った。。原宿は、まるで…小さなTOKYOマラソン地下鉄の表参道から、上がってきた子たちに、団体で割り込まれながら、整理券欲しさに、死んでも走ってやる!と誓った万年体育2のアテクシ……大野智の作品を見るためなら、死んでも本望じゃないか…と…日頃から、食っちゃ寝を繰り返してきた代償で、止まりそうな心臓を押さえながら…結果……吐く息が真っ白で、鼻の穴が2倍になり見苦しい姿になりながらも、整理券は貰えました。残り20枚のうちの1枚にくらいつた。何があるかわからない……大野智のファンでいることは、なかなか大変だった。そして、彼は本当に有言実行だった。作品は見事に個展会場に並べられた。色々な人に刺激を受けて、彼の作品は成長していくのだけど、2002年のアルバムジャケ撮影のときに「今、板に絵を描いているんだ」と松潤に言っていた。「それは、(描き上がったら)俺らも観れるの?」「モチロン!!」その後、松潤は完成した彼の板絵は見れたそうだけど、ファンは板の絵はお目にかかってない気がする。でも、それも、…見られるのはメンバーだけってのも素敵だな……智くんのアートに一番興味を持ってくれたのも、潤くんだった。長きに渡り、私の人生を楽しませてくれた嵐のみなさん。その結果……段ボール2つ分の切り抜きとクローゼットを占拠する雑誌とグッズの山ファイリングは老後のお楽しみ。だったけど……毎日が忙し過ぎて、殆ど家に居られない状況。こんなはずでは……だからファイルは、Jr時代から2001年で止まっている(笑)

    夢は叶えるもの
  6. 妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。「それ、もっと早く知りたかったです(涙)。でも、仕方ないですよね?あれだけの目がある中で鍵を渡す方法はコレしかなかったのかも知れません。不用意な発言もできませんし」「うん、今の状況下であんな頼もしそうな人がこっちに来てくれたら助かるし、大野さんとも面識があるみたいだから期待しても大丈夫そう」潤は嬉しそうに笑った後で二宮を真っ直ぐに見つめると、「でも・・・ちょっと楽しくなかった?この非日常感」言いながら二宮のウィッグを手櫛ですくように撫で、途端に二宮の顔が真っ赤になった。「あ・・・じゃあこの変装、もう必要ないですよね?」顔を動かして潤の手から逃げるような仕草をしつつウィッグを指さした二宮に、「それは必要だよ?手配が回るとしたら【ショートのプラチナブロンドの男性】がニノの特徴になっちゃうんだから。少なくともロングヘアなら誤魔化しやすいんだし、福岡に到着するまではそのままでいて欲しいんだけど。それに恋人設定の方が絶対的に動きやすいってば」潤がその腕を掴んで首を横に振る。「でも、手錠を外せるのはすっごく助かるよね?トイレ問題も解決」すんとした顔で言う潤に、「・・・全然解決してませんよね?このままだと僕・・・ワタシは女子トイレに入らないと不自然なことに変わりないんですけれど」二宮が恨みがましい視線を向けると、「やっぱダメかな?」潤が悪意のない笑顔を向ける。「ワタシを犯罪者にするつもりですか?!」声の音量が上がった二宮の唇に、「しーっ」潤が右手の人差し指を立ててから当てて、「やっぱりニノは多目的トイレ利用でやり過ごすしかなさそう。犯罪者になったら大野さんも困っちゃうと思うし」そう言って椅子に座り直してから天井を見上げて深い溜息を吐いた。その様子から潤の不安感を敏感に察知した二宮が、「・・・行きましょうか。大丈夫、きっと大野さんと櫻井さんが23時59分まで足止めしてくれますよ。それに社長たちは潤くんのことが大切なわけですし」スクリーンを見つめたままで二宮は潤にそう言葉をかけた。

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    月と太陽 末ズ93
  7. 妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。「強引ですね、アンタ」「ウルセー!とっくに居場所は掴んでたけど、こっちからアポを取ろうとしても完全スルーしやがって」「だって大切なゲームのイベントがあるんですよ!」「ゲームのイベントよりこっちが大切だろうが?!」室内に入ってもなおギャーギャーとやりあっていたが、連れてこられた男の方が智と翔の存在に気がついた。「へぇ・・・あんたがオーナーのO野智?この度は俺がデザインしたアンドロイドをお買い上げいただきありがとうございました」慇懃無礼とも取れる態度で深々と頭を下げたその人は、「俺の名前はN宮和也、【S -0125】のデザイナー。でも本業はゲームプログラマーね」正に翔の生みの親とも呼べる存在らしい。「・・・俺の本当のパパ?」「本当のって・・・他にもパパがいるんですか?」「うん、潤さんが俺のパパになって色々と教えてくれてるんだ」「・・・へぇ、こいつが」チラッと潤に視線を向けると、耳まで赤くなってそれから逃げた。が、内心「俺が今はパパだ」と変な対抗心を燃やしていたことを誰も知らない。「翔くん、コイツに意地悪とかされてませんか?」「全然、めちゃくちゃ優しくしてもらってる」「ふーん」「・・・なんだよ?!」「別に、なんでもありません」二宮はそこまで言ってから智へと視線を移動させて、「・・・いい子でしょ?」二宮がニッコリ笑ってみせると、「ええ、これ以上のアンドロイドはいません。あなたは素晴らしいデザイナーです。心からのオマージュを捧げたい」真顔で智が応えていて、「・・・もー」その様子をみていた潤が頭を抱えている。「でも売れないんですよね・・・販売から2年でやっと1体なんて」二宮は不本意そうに言い、「完璧だと思うんですけれど」翔に近づくと正面に立って優しい仕草で頭を撫でていた。けれど、「当たり前だろ?!」そんな2人の間に割って入ったのは潤だ。

    スーツを着ないお姫様40【お山】
  8. Side−A固まってしまった翔ちゃんの目の前で手を翳すと、何故か真っ赤な顔をしている。「さっきから、なにを『ちゅーちゅー』言ってたんだ?」「…あ、潤!」「なんでオレを誘ってくれなかったんだ?」「……だってぇ」「いくら同じ『進学コース』とは言え、オレとは元々そこまで親しくなかっただろ?」「じゃあ…『雅紀』が誘ってくれたら、良かったんじゃ…」「姿カタチは『雅紀』でも、中身は『櫻井翔』だ。松本に声を掛ける気は更々ない」「俺は…翔ちゃんだったら、多分潤に声を掛けないんじゃないかなって思って」「はぁ…そういうこと、ですか…」「ゴメンね?潤…」「…仕方ないだろ?」何となく、翔ちゃんが潤を睨んだ気がした。「……待たせたな」「智ぃ、足が早い…」屋上まで駆け足で上がって来たのか、大野さんと二宮君が息を弾ませている。「大野さんと二宮君、昼メシは?」「話を聞きながら食べるわ」「そ…その前に、聞きたいことがあるんだけど…」「なに?二宮君」「これ、何て読む?」ノートに書かれていたのは漢字で、二宮君は『櫻井翔』である俺に見せてきた。『嫡男』「てき…なん?」『殺陣』「さつじん?」「これは『ちゃくなん』に『たて』って読むんだ!」「へぇ?そうなの?ふ〜ん?」「…やっぱり、風間の言う通りだったか」「うん?風間ぽんが、なに?」「まさ…!」翔ちゃんが、『しまった』と言う顔をしている。「…あーーーっ!!」……やって、しまった!「うっせぇな…」大野さんが俺を睨んだ。「ねぇ!もしかして、バレちゃった?」「もしかしなくても、バレたみたいだね?」「はあぁ…ったく!」潤は冷たく言い放ち、『相葉雅紀』の姿の翔ちゃんは、大きなため息をつき、頭を抱えた。「じゃあ…順を追って、詳しく話してもらいましょうか?」二宮君の低い声だけが、冷たく響いた。…つづく。

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  10. 七星 晶音です。奈良におでかけした翌日のこと。名古屋に一泊してくれたそらちゃんおススメの名古屋市総鎮守若宮八幡社さまの境内に集合していた私たち。(そら・rino・晶音)友人たちの素敵写真も借りながら記事を綴ります。暑い日が続いていたので気温を心配していたけれど(そしてド級の雨女ちゃんがメンバーにいることによる雨天も・笑)ちょうどよき気温の曇りの日で過ごしやすく、良き塩梅。ありがたき采配でした。私もrinoちゃんも初めての参拝。名古屋にほど近い東海住の私とrinoちゃんよりもよっぽど名古屋のいろんなスポットを知っているそらちゃんだったりします。御本殿には穏やかで温厚な、頼もしく包容的な大きな男の神様がいらっしゃるようでした^^本殿の神さまから私たちへと橙地に銀や淡い緑の植物(蔦かな?)の模様の装飾の入った鍵付きの宝箱を頂きました。(エアーね・笑)透明感を感じる巳さんの白い卵たちがぎっしりと詰まっています。いくらかは孵化して他のきょうだい達の卵の間や表面などを、自由にするすると行き来したりくるりんととぐろを巻いてウトウト眠ったりと。思い思いに過ごしているようです。これは、私たちだけのものではなくて。私たちがご縁ある人たちと関わってゆく中で自動的に配られてゆくものなのかな?という印象でした。これから孵って育っていくまだ見ぬ金運や財運の種、あるいは少し兆しの見え始めた新しくまっさらなそれ…そのようなものなのだと思います。若宮八幡さまがくださった巳さんの様子を見ていると財や金=貨幣そのものではなくて。結果的に自分に恵みをもたらしてくれることになるとか願いを現実化していく手段になるような。誰もの中に備わっている子どもみたいに無垢な献身性や純粋な遊び心(才能)やそれぞれにまとってきた清らかなご加護(両親や周りの人たちからの元気に育ってほしいとか優しい子に、とか人に恵まれるように、という守りや幸福の祈りとか…)そうしたもののことをいうのかな。なんて思ったり。ところで各神社さんで巳といえば、の弁天様以外のところでも巳さん関連の祝福を頂くことが多いのですが…そこはやっぱり「巳年」だからなんでしょうね。どうも神様方はその年の干支のイメージに合わせたご利益や祝福を参拝の人たちに手渡してくださっていることが多いようです。となると今年は眠れる才能の開花やそれぞれの金運・財運の在り方の変化・進化は私たち誰もの共通のテーマかもしれません。金色の鳥居が映える龍神社さまの参道脇には紫陽花が。しばらく紫陽花と戯れて写真撮影を楽しんじゃいました。綺麗だったなぁ(*´ω`*)紫陽花は感情やエネルギーのバランスを調整し浄化してくれる霊花です。癒されますね~^^こちらは恵比寿社さま。摂社たちの鈴緒は赤い紐に金の鈴が連なるきりりと華やぎのあるお洒落なタイプでした^^境内は、名古屋の総鎮守というイメージよりはこぢんまりとしていますが落ち着いた華があり綺麗ですね。お稲荷さんもいましたよ~。特に祈願が思い浮かばなかったのでご挨拶だけさせて頂いたら無地の大きな巻物をくれまして(いや掛け軸か?わからん・笑)細かく長く書くってこと?って思ったらそうではなく夢はでっかく!と。実現したい夢や目標は小さくまとまったものにせず「大きな夢」にしてこの巻物に堂々と書き込んで!という感じでした。笑今の私は、絶賛方向模索中でまだ書き込むには至っておりません。自分のやりたいことや夢や目標はわりとハッキリしているタイプだったのだけど。急に…ふっとわからなくなっちゃうものなのですね。まだまだ、自分を見つめ直して脱皮中の私です。名古屋総鎮守、若宮八幡社。名古屋住民でなくとも朗らかにおおらかに迎え入れてくれる素敵な神社さんでした。(*´ω`*)この後は、映え散歩を求めて久屋大通庭園「フラリエ」へ。つづきます♪

    【名古屋】総鎮守「若宮八幡社」で紫陽花を愛でる
  11. 気象系の(山メイン)妄想小説です実在する人物・団体とは一切関係ありませんBL的表現(18禁)を含みますご理解のある方のみお進み下さいO sideやがて列車は…停車時間の長ぃ駅へ…カタタン…カタタン…カタタン…カタタン…『山風駅〜山風駅〜間もなく到着致します…』『尚…この列車は次の停車駅にて…5分程停車致します…』社内アナウンスを流し…徐々にハンドルを動かしながら…減速してぃった…カタタン…カタタン…カタタン…カタタン…キィィィッ…!プシューッ…!『開く扉に…ご注意下さい…』扉を開け…自身も車両からホームへ…『ん…っ…』軽く伸びをして…ストレッチ…『ぁの…///?』『はぃ…何でしょう…?』乗客から…声を掛けられた…『ぁ…っ…』『ぇ…///?』っ…この人…櫻井さんの…『ぃえっ…どうかされましたか…?』『ふふっ…お写真を…お願いしてもよろしいですか…///?』写真…そっか…記念写真…やっぱ婚前旅行…ってヤツかな…『では…カメラを…』『ぁ…ぃえっ…一緒に…///』サッとカメラを受け取ろぉとしたら…一緒に…と言われて…まぁ…ぅん…これもよくぁる事…『分かりました…』『有難うございます…///』となると…誰かに…シャッターをぉ願ぃする形に…それは…必然的に…『ぁ…櫻井さんっ…早くっ…///!』『ふはっ…せっかちだなぁ…///』『っ…///』ドクンッ…///女性客が…櫻井さんを呼んだ…///『ほらっ…時間無ぃんだから…///!』『すみません…///』ぁ…///なんだか…既に尻に敷かれてる感じ…///?『大野さん…お久しぶりです…///』『んふふ…お久しぶり…ですね…///?』遠慮がちになりながらも…こんな時に…ちょっと笑ってしまった…///『では…いぃですか〜///?』『お願いします…!』『へ…///?』グイッ…!ぇっとぉ…この状況は…一体…///??車両の前に…並んだ二人…それは…櫻井さんと私で…///シャッターを切るのは女性…///しかも…///この…回された腕が…肩にガッツリ置かれて…///ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…///『大野さん…///』『っ…///!』ぴくっ…///!ふと…櫻井さんが…耳元で話しかけて来た…///蒼

    途中下車…138
  12. 気象系の(山メイン)妄想小説です実在する人物・団体とは一切関係ありませんBL的表現(18禁)を含みますご理解のある方のみお進み下さいS sideやがて列車は…停車時間の長い…あの駅へ…カタタン…カタタン…カタタン…カタタン…『山風駅〜山風駅〜間もなく到着致します…』『尚…この列車は次の停車駅にて…5分程停車致します…』と…社内アナウンスが流れ…大野さんが…徐々にハンドルを動かしながら…列車を減速させていく…カタタン…カタタン…カタタン…カタタン…キィィィッ…!プシューッ…!『開く扉に…ご注意下さい…』停車し…扉が開くと…大野さん自らも…ホームへ…『ん…っ…』ふはっ…///変わらないな…その景色…///そんな風に見惚れていると…『ぁの…///?』『はぃ…何でしょう…?』さっさと降りた彼女が…いつの間にか…大野さんに声を掛けていた…///『ぁ…っ…』『ぇ…///?』っ…気が早いな…///『ぃえっ…どうかされましたか…?』『ふふっ…お写真を…お願いしてもよろしいですか…///?』きっと…昨夜俺がお願いした事を…実行してくれているのだろうと…///『では…カメラを…』『ぁ…ぃえっ…一緒に…///』ほら…///大野さんは…俺達を撮ろうとしてくれている…『分かりました…』『有難うございます…///』そう…撮って欲しいのは…彼女とではなく…///俺と大野さんとのツーショットで…///『ぁ…櫻井さんっ…早くっ…///!』『ふはっ…せっかちだなぁ…///』『っ…///』交渉成立って…ことかな…?彼女が…高らかに俺を呼んだ…『ほらっ…時間無ぃんだから…///!』『すみません…///』テキパキと熟す彼女に…頭が下がる思いだな…///なかなか俺からは言いづらかったから…『大野さん…お久しぶりです…///』『んふふ…お久しぶり…ですね…///?』ふにゃん…あぁ…///この笑顔…堪らないな…///ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…///『では…いぃですか〜///?』『お願いします…!』『へ…///?』グイッ…!そして…車両の前に…並んだ二人…シャッターを切るのは…もちろん彼女で…回した腕を…大野さんの肩に…ガッツリ置いて…///ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…///『大野さん…///』『っ…///!』ぴくっ…///!耳元へと…話しかけた…蒼うすうず…うずうず…♡

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  13. ㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。  ご注意ください。 義弟は、若き日に幸薄い、辛いばかりの日々を送った。官吏として生きた間、役目を与えられ全うし、人に認められる生を送った事、それを見ていてくれた人がいたこと、墓前に報告させよう。よい話を聞かせてもらった。 ムン大監にそう言われた署長を、ウジョンは連れてムン家を辞した。署長の手には折皺のつかないように巻かれた絵が大事に抱えられている。このまま図画署に戻り、最期の仕上げをしてしまうのだ。 「題字に関しましては、ご相談いたしましょう。」 そう署長に言うと、そうですな、と頷く。字の上手は、書類を清書する部署があるぐらいだ、案外いる。それに、書画が好きな好事家に聞けば、堪能な人の名前などすぐに数人上げてもらえるだろう。 「世子さまのための最初の画帳です。王様に筆をお取りいただくのはどうでしょうか。」 ウジョンが考えながら言うと、 「それは良い考えですね。ご提案されてはいかがですか。」 と署長も賛成した。 そんな話をしながら歩いていても、思い出すのは先ほどの奥方ユニの涙。ムン大監の言葉。 「故キム・ユンシク様は・・・小科では次席、大科にも乙科で受かり、大層喜ばしいこともあったはずですのに、どうして大監様はあんな風におっしゃるのでしょう。」 署長はウジョンの独り言のような問いに、考えながら答えた。 「病というものは、体を弱らせるだけでなく、心も弱らせます。多感な時期を床に就いて過ごしたのですから、希望が見えないことも多かったでしょう。」 其れだけだろうか、とウジョンは思う。ウジョンからすれば、キム・ユンシクの人生は自分と比べてもキラキラと輝いているように見える。不遇な少年期ですら、その人生に厚みをもたらす一つの糧のように思えるぐらい。学問の府での成功。官吏としての着実な存在感。何よりも、地位も名誉も、そして実力もある、ウジョンからすれば見上げる存在の人たちと友人だ。それも親友であり、義弟であり後輩であり・・・。これ以上の幸運などないはずだ。 「まあ・・・私が思うに・・・。」 署長は絵を持ち直して、少しだけ考えてから声を発した。 「おそらく、奥方様・・・実の姉上様へのどこか遠慮のようなお気持ちが、必要以上にキム・ユンシク様をへりくだらせたのではないですかね?時折聞く事がありますが、まあそれはどちらかと言えば男の兄弟の間のことです。」 「どういう事でしょう。」 ウジョンがきき直すと、署長は答えた。 「家の跡取りは基本長男です。ですが、次男が非常に優秀だったとします。そうですね、今回に近い状態で考えれば、長男は幼いころから病弱で、学問なども少しずつしか進められないのに、次男は大変健康で丈夫、学問や武芸なども教えれば教えるほど成長する、なんてことになったら・・・。」 「長男は次男を憎みますな。」 「まあ、憎むか、妬むか・・・。キム・ユンシク様の場合は、姉上様がこの話の弟にあたるわけですが、関係がご姉弟なわけです。健康も学問をする頭脳もお持ちの姉上様は、女人であるがゆえに跡取りにはなれない。そこに憎む気持ちは湧くでしょうか。姉娘が男だったら、とか、ユンシク様と健康状態が逆であればよかったのに、などと言われたこともあったのではないでしょうか。口さがない親戚など、そのような心ない事を簡単に口に出します。うらやましいとは思われたでしょう。けれど憎むよりも、申し訳なさの方が勝ったように思いますね。何でもできる、体の丈夫な姉は、弟に全部を与えて表には出ることはない、なのに体が弱く世話を掛けてばかりの自分は与えらえたことを使って世に出ている、と。キム・ユンシク様はお優しい方なのでしょう、当たり前のように与えられていればいいものを、それを恩に着て生きられた。」 そうなのだろうか。それでも、いい成績を取れば、王様に褒められるほどの学力を見せれば、大科に受かれば、自分を誇り、それは人生の中で輝くものになっているはずなのに。それすらも喜べないなんてことがあるだろうか。 ウジョンの疑問は、消えはしなかった。にほんブログ村

  14. 気象系の(山メイン)妄想小説です実在する人物・団体とは一切関係ありませんBL的表現(18禁)を含みますご理解のある方のみお進み下さいS sideカタタン…カタタン…カタタン…カタタン…『フフ…もうすぐ来ますよ…♪』『はぃ…///』昨夜宿泊したホテルを出て…俺は…彼女と共に此処へとやって来た…あぁ…久しぶりだな…///半年前…バックパックを背負い…待ち侘びながら…立ち尽くしていたな…と…///ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…///そして…列車が近付くにつれ…鼓動が…更に跳ねた…///カタタン…カタタン…カタタン…カタタン…キィィィッ…!プシューッ…!『扉が…開きます…』大野…さん…///車両はホームへと滑り込み…所定の位置へ…スッ…『っ…///!』俺は…片手を上げて…大野さんに…笑顔を向けた…///一体…どんな反応をするのだろうか…///ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…///けれども…そんな期待とは裏腹に…やはり仕事中という事もあってなのか…大野さんは…帽子の鍔を片手で掴みながら…軽く会釈するのみだった…///『足元…気を付けて…?』『ぅん…有難う…///』取り敢えず…彼女をエスコートしながら…電車の中へ…『扉…閉まります…』っ…大野さんの声…やはり…素敵だな…///『計器よ〜し…前方よ〜し…』『出発進行…っ…』あれ…?少し…声に張りが無かったような気が…どこか体調でも悪いのだろうか…カタタン…カタタン…カタタン…カタタン…ギシッ…その後…座ったのは…やはり特等席で…前の景色と共に…大野さんがバッチリ拝める…///あぁ…空いてて良かったな…///なんて思っていても…大野さんは…業務確認以外は…車内を振り向く事無く…真っ直ぐに…進路の方を向いている…///カタタン…カタタン…カタタン…カタタン…『っ…///』あぁでも…この後ろ姿を見ているだけでも…癒されてしまうだなんて…///最高だな…///俺は…食い入る様に…大野さんの背中を…見つめ続けた…///蒼

    途中下車…137
  15. 《今日の主な登場人物紹介》土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校5年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。音羽 時次郎…23歳の時代劇若手スター。朝美台小の「演劇学」講師となる。秘密の過去を持つ。山村 サチ…よねの同級生。インテリ眼鏡で冷静沈着。いつも低音で論理的に喋る。 みんなの反応にはお構いなしに、垂れてきた前髪をサッと頭を振って直しながら、時次郎は話し始めた。「この間の『難攻不落の演劇学』の話は分かったかな?」 そう聞かれても……と、みんなはお互いに顔を見合わせて困った顔をしている。「黄金バット」への子役出演の発表があると期待していた発表ある派の生徒たちは、こんな話から始まるようじゃ発表はないわ、とでもいうようなガッカリした表情をしていたし、発表ない派を主張していた生徒たちも、結局まともな授業をするの? とでも言いたげにしょんぼりした顔をしている。 但し、眼鏡をかけた1名の女生徒を除いてだが……。 みんなは、音羽時次郎の映画の話が聞きたいのだ。そんなこととは露知らず、時次郎は真面目に授業を進め始めた。「……プラトンの『演劇否定論』とそれに対するアリストテレスの『詩学』による反論は、大体わかったと思うんだ……あっ、いやいや、思います」 こんな時次郎の言葉に、サチだけが「うん、うん」と頭を縦に振っていた。「では、今日はそれに対して、一つの答えを導き出してみよう! はいっ! 教科書『演劇的生命体がゆく』の28㌻を開いて!」(あれ~っ、音羽先生! さっき言ってたユーモアが全然入ってないよ~)と叫びたい衝動をよねは抑えつつ、教科書をめくった。 よねは、あまり「演劇」には興味がなかったので、この教科書を開いて見るのは初めてだ。 開いてみて意外に思ったのは、絵が多いということだ。日本の伝統的な歌舞伎役者やたっぷりと口ひげを蓄えた腕組みをして貫禄のある外人もいた。「この前は、プラトンが『演劇は単に我々の生活を模倣しているだけではないか!』つまり『我々の生活の延長線上にある物語を、ただ舞台化したものではないか!』と言っていることを説明しました。 ……この説に対して、アリストテレスは何と反論したかな? はい、説明できる人!」と時次郎は早くも額に浮かんできた汗を拭って、みんなに答えを求めた。 よねは焦った。そんなこと覚えているわけがない。(どうか、指されませんように……)と心で祈る以外なかったが、そんなこと、ただの取り越し苦労であることがすぐにわかった。時次郎の質問に対して、真っ先に手を挙げて答えている生徒がいる。もちろんサチだ。「はい! ……模倣は人間の本性なのだから、人間は模倣されたものに喜びを感じる、と反論しました」「そう、その通り! 『模倣は人間の本性!』と言ったんだね。じゃあ、何で模倣が人間の本性になるんだろう? 今日は、ここの所を勉強してみよう。 では、先ほど開いた28㌻を見てごらん。……ここに『ニコライ・エヴレイノフについて』と書いてある。この人は、ロシアの劇場人なのだけど、すごい人なんだ。 このエヴレイノフは『劇作家・俳優・演出家』であると同時に『曲芸師・笛吹き・作曲家・小説家・歴史家・画家』であり『心理学者・生物学者・考古学者・哲学者』でもあるんだよ。……どうだい! すごいだろう?」(うーん、いろいろな職業をした人なのかしら? まあ、とにかくすごいわ)よねは、とりあえず納得した。「では、次のページをめくって!」先生の言われるまま、29㌻を開くと、そこには、天を見上げている、変な男の人の白黒写真が載っている。その男は、目を見開きながら、両手で自分の洋服の胸元を肌けている。ちょっと、異様な感じのする人だ。「この写真の人が、エヴレイノフです。ちょうど、シェークスピアの『ベニスの商人』を演じている所かな。彼が、アリストテレスの言っていた『模倣は人間の本性』という問題を『模倣は動物の本性』という観点から、すごくわかりやすく説明しているのでちょっとお話しましょう」 時次郎はそう言うなり、ラメの上着をフワッと教卓の上に置いた。そして、両手の肘を曲げ、拳を軽く握って耳たぶから頭にかけて撫で回す格好をしはじめた。それはまるで、猫のような仕草であった。 これから一体、時次郎は何を話そうというのだろう❓ワカバのよもやま話コーナー(137) ご好評につき…(勝手にワカバが思ってます)父の怪獣図鑑だよ〜笑 今日は2冊ですぅ…まずはこちら〜⬇️ わぁ〜、口が大きい〜𐤔𐤔𐤔𐤔 あっ、この宇宙人…知ってるダダ‼️ この図鑑に掲載されていた白黒写真〜‼️ あっ‼️ザラブ星人ってシンウルトラマンで見たよ✨ ⬇️ これは図鑑表記がないよね〜…❓ 右下に「怪獣百科」って書いてあるけど… ラドンって、ゴジラのハリウッド版で見たぁ ミニラ❓って思ったら、ゴジラの息子だって…爆笑🤣 「怪獣図鑑」を父が持っていることは知っていても、内容は見た記憶が無くて…小さい時に、引っ張り出して見ていたらしいのですが…😅 そこで、父に協力してもらい怪獣の人形と照らし合わせる事にしました(父曰く、人形ではなく、ソフビとの事…別に何でもいいじゃん 笑) 出てきたのが、このミニラ ⬇️ カ、カラダが赤い〜笑 ゴジラのソフビと並べたら、息子の方がデカイ〜ププ━(〃>З<)━ッッ!!! ・:*ゞ(∇≦* )ぎゃはは あまりにワカバが笑うので、父が他のゴジラを出してきましたが結果は同じ〜アヒャヒャヒャヽ(´>∀<`*)ノアヒャヒャヒャ!! このゴジラは「モスゴジ」とか言ってました…「モスラ対ゴジラ」に出たゴジラだからって…分からん😅 ワカバの笑いが止まらず、とうとう父がずるい奥の手…だと思います💦 ベビーゴジラというのを、出してきました あっ‼️確かにこの子なら子供に見えるわ…でも、ミニラじゃないでしょ、コレ⬆️ 上記の本は「朝日新聞出版社(朝日ソノラマ)」さんに、ブログ掲載許可を戴きました👌第29章「こうもり人間・誕生」①へつづく(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です)

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    およねさん/虹の迷宮  第28章「時次郎、再び…」③
  16. (このひとつ前、0時にもお話をUPしています)嵐妄想小説/ドラマのオマージュ(BLではありません)雪彦君が生きている世界になります。<side ジュノ(世良)> この病院の立つ場所にも、梅雨が始まった。海のそばで元々潮に悩ましい場所でもあるが、初めての梅雨はなかなか体力を奪うものらしい。天城先生は、子供時代を海外で過ごしていたこともあって、覚えている限りでは、日本の暑さと梅雨は初めてだそうだ。華奢な体は、湿気と暑さで食欲をなくし、さらに細くなってしまった。(冷暖房完備の部屋だが、先生の体が冷えすぎてしまうので、昼間は、ご自分で消してしまっているようだ)「天城先生、ご飯食べましたか?」俺が部屋に顔を出すと、天城先生は嬉しそうに箱を眺めていた。「その箱、どうしたんです?」「ムッシュ(佐伯清剛先生)が、買ってきてくれたの」「お菓子ですか? ケーキ?」「わからない。まだ開けていないからね」嬉しそうに笑う先生の顔は、子供みたいに可愛らしい。「開けた方が良いんじゃないですか? ほら、冷蔵保存しないといけないかも」「あっ、本当だね。ジュノダメじゃん。早く冷蔵庫に入れてくれなくちゃ」「え、俺のせいなんですか?」「そうだよ、ジュノは僕の事、なんでもわかるんだから。ちゃんとしてよ」「もう……」怒るふりしながらも、顔が緩んでしまうのは仕方ない。『ジュノは僕の事、なんでもわかるんだから』天城先生の言葉は、いつも俺を喜ばせちゃうんだ。これって天性のものなんだろう。(本当、渡海先生と逆なんだから)←ずっと怒られちゃう。「でも。じゃあ、開けましょうよ。中身わからないままでしょ?」俺が言うと、天城先生は慌てて言うんだ。「ムッシュがね、征司郎も子供の頃好きだったって聞いたお菓子だっていうの。この間思い出したんだって。それで、一緒に食べたらどうか? って持って来てくれたんだよね。だから一緒に見て驚きたいんだ」うわ、さすがだな。「渡海先生は、来るんですか?」「わからない」「え。じゃあ、いつ開けて食べるんですか?」「征司郎が来たら、一緒に開ける」「呼んできましょうか?」「仕事中でしょ?」「……確かに」俺みたいな者がうっかり言ってしまうと、部屋に来ない可能性がある。「良いんですか? いつ来るか、分かりませんよ?」すると、嬉しそうに天城先生は、可愛く首を傾げて笑って言う。「いいの。いつ来るか分からないから、突然来たら、きっと百倍嬉しいでしょ?」……そうか。呼んでも来ないと、百倍寂しいからか。「早く……来て欲しいですね」俺が言うと、『うん』と可愛く頷く天城先生。(渡海先生〜頼むよ〜早く来てあげてよ〜)俺はもう、泣きそうだった。――――――仕事が終わって、ずっと気になっていたから。俺は天城先生の部屋へ行った。部屋は静かで、窓ガラスを叩く雨の音だけが聞こえる。「……失礼します(小声)」天城先生は、めずらしくよく眠っていた。俺は、そっと冷蔵庫を開ける。(……ないっ!)あの箱はもうなかった。冷蔵庫のそばの小さなテーブルには、洗ったフォークとお皿が二人分。(よ、良かった〜。来たあ〜♡)俺は、しゃがみ込んで、小さくガッツポーズ。(ありがとう教授っ。ありがとう渡海先生!)*今は教授ではなくなっているが昔の癖で呼んでしまう*その日から、たまに渡海先生が食事の時間に顔を出す様になっていた事を、俺は知らなかった。(ちょっと悲しい)――――――優しいジュノ君。いつも双子の師匠で頭がいっぱいです。誰よりも、雪彦くんの体重が落ちた事を気にしている征司郎くんです。自分で炊いたご飯を持って、一緒にこっそり食事してあげているのは秘密でした。天城先生とジュノと渡海先生|黄色♡おはなし保管庫苺チョコさんのブログテーマ、「天城先生とジュノと渡海先生」の記事一覧ページです。ameblo.jpジュノへ(天城雪彦)|黄色♡おはなし保管庫苺チョコさんのブログテーマ、「ジュノへ(天城雪彦)」の記事一覧ページです。ameblo.jp渡海センセイが好き(ブラックペアン)|黄色♡おはなし保管庫苺チョコさんのブログテーマ、「渡海センセイが好き(ブラックペアン)」の記事一覧ページです。ameblo.jp

    雪彦と雨
  17. 私、今村と言って今年二十歳になります。都内にある某私立大学の2年生です。それで、私大学で都市伝説研究会というサークルに入ってるんです。子どもの頃からその手の話が大好きだったもので。その日も最終の講義が終わった午後3時ころ、サークル室に顔を出しました。サークル室はプレハブで、他のサークルといっしょになってて大学構内の北側の隅にあるんです。そしたら3年生の先輩が2人いて、平行世界についての話をしていました。並行世界というのは、日常生活で何かを選択しようとするとき、AとBで迷うような場合は、Aを選択した世界とBを選択した世界に分かれてしまう。そういうふうな話なんです。そして、そういう選択の機会は無数にあるので、並行世界もやはり無数に存在する・・・といったものなんです。「でな、平行世界同士はお互いに行き来はできないんだけど、それだとつまんないじゃん。だから、その世界から別の並行世界に行くことができる方法があるって言われることが多いんだ」  「例えば、どんな?」「うーん、寝る前に飽きたという文字を紙に赤マジックで書いて枕元に置いておくと、朝、目が覚める頃には自分が平行世界の自分と入れ替わってるとか」  「えー、それ本当にあるわけ? 自分が並行世界に来たってどうやってわかるのよ」  「それは・・・違いはいろいろだよ。例えばそのときの総理大臣の名前が元の世界と違ってるかもしれないし、もっとつまらない、自分の妹の服の好みとかかもしれない」  「えーでも、妹の服の好みが違ってるなんて気がつかないよね、普通」「うん。だから、自分が平行世界に来たことに気づかないまま一生を終える可能性もあるんだよ」  「他に並行世界に行く方法ってどんなのがあるかな」  「並行世界エレベーターってのもあるらしいよ。それはどこにでもあるごく普通のエレベーターなんだけど、ある特殊なボタンの押し方をすると、目的の階に着いた時は平行世界になっている・・・とか」「そのエレベーターってどこにあるの?」  「それはわからないんだよ。外見的に変わったところはないんだ。ただの変哲もないエレベーターだしね。一つの街に一つくらいはあるって言われてるけど」・・・私はこの先輩たちの会話を黙って聞いてたんですが、面白いなと思いました。そんなエレベーター、本当にあるんだろうか。あるのなら乗ってみたいとも思いました。べつに今の世界に不満があったわけじゃないんですが・・・で、ですね。私、放課後はアルバイトをしてたんです。居酒屋で注文を取ったり料理を運ぶバイトですね。週に3日、4時間ずつでしたが、お小遣いの足しにはなっていました。それで、上記の並行世界の話を聞いてから1ヶ月ぐらい後のことです。そのときには、もうすっかりこの会話の内容は忘れていました。それで、アルバイトが変わったんです。正確には同じ店で働いてるんだけど、働く場所が変わったんです。それまで入ってたのは駅前のビルでしたが、再開発のための立ち退きで場所を移動したんです。新しい店は前の店よりもやや港に近いところにありました。で、その初出勤のときです。8時ころでした。場所は前もってわかっていたので、新しい店に行ったんですが、そこ、雑居ビルの6階だったんです。その日の2番シフトの時間でした。店に行くには、まず階段でそのビルの地下まで降りて、そこからエレベーターで6階までいきます。で、初めて乗るエレベーターだったんですが。作りは普通だったと思います。そのときに階数ボタンの6を押すはずだったのが、前の店が4階だったので、最初に4を押しちゃったんです。そこで、あ、違うと気がついて、あわてて2度押ししました。そうすると消えるので、あらためで6を押し直したんです。で、店の前に出たのでバックヤードに入ってハッピに着替えました。それから店長にあいさつをしました。店長は「ああ、場所わかったよね。新しい店でもよろしく頼むよ」と言ってました。で、さっそく新しくお客さんが来ました。サラリーマン風の4人連れ。注文を取りにいくと、生ビールが3つとウーロン茶割りが1つ。それから焼き鳥などの単品のつまみでしたが、一人が「あ、俺、ニグヴェナの煮つけね」って言ったんです。初めて聞く料理の名前でしたので、聞き返してしまいました。「え? ニグヴェナ??」  「そう、ニグヴェナ。今が季節だし脂ものってるよね」聞いたこともないし、店のメニューにもあった気がしません。わからなくなりそうなので、メモ紙に「ニグヴェナ」と書いて厨房に持っていきました。そしてそこで聞いたんです。「ニグヴェナの煮つけって言われましたけど、そんなのこの店にありましたか?」  「何を言ってるんだ。ニグヴェナはこの店の名物だし、稼ぎ頭じゃないか。知らないとかありえないだろ」「えー、でも・・・」料理係はイライラしたようで、「ほらこれだよ」と言って赤黒い汁に浸かった煮つけの皿を持ってきて見せたんですが、その皿にのっているのは、蛸とシャコが混ざったような不気味な生物だったんです。で、こんなことがあってバイトの時間が終わり、「お先に」と帰ろうとしとき、店長に呼び止められたんです。「何でしょうか?」  「いやね、厨房の人から聞いたんだけど、君、ニグヴェナを知らなかったんだって?いやいや、責めてるんじゃないし、怒ってるわけでもない。じつはこの店、ここの街の平行エレベーターの拠点になってるんだ。これは秘密なんだから、人には言わないでね。君はたぶんエレベーターに乗るときによけいな操作をしてしまったんだと思う。だから元の世界に戻ったほうがいい。戻るには地階の前に4の数字を一回押してから、もう一度押して取り消すんだ。それで元の世界に戻れるから」何を言ってるんだろうと思いましたが、半信半疑で言われたとおりにしたんです。ええ、着いたのは普通の世界で、特に違和感なく部屋に戻って、これまで生活しています。ちなみに、ニグヴェナというものは、あれ以来一度も見たことも聞いたこともありません。

    ニグヴェナの煮つけの話
  18. これはBLファンタジーです。実在人物とは無関係です。marianさんのコメントから番外編を作ってみました!プロローグ歯ブラシセットパジャマタオル髭剃りスキンケア用品これくらい用意しとけばGGにいつでも泊まってもらえるなふふっある日具合が悪い僕の世話をしてくれ一人にすることを心配したGGが泊まってくれることになった彼は今、入浴中来客セットは目につくところに置いてるから大丈夫だね・・・あ!忘れてた!下着を準備してなかったことを思い出したDDは慌ててバスルームへ持って行く『GGごめん、これ、わす・・・わっ💦』そこには入浴を終えバスタオルで体を拭いている途中のGG他人の裸に免疫のないDDはその姿に動揺するGGは気にすることなく全裸のまま振り向いた「あ、下着まで貸してくれるの?ありがと!」DDは顔を背けたまま手を思いっきり伸ばして下着を渡すとそそくさと出ていこうとしたが下がりかけていた熱がGGの裸で急上昇してしまいその場にぶっ倒れてしまった「DD!!」GGは驚いてDDを横抱きにすると慌ててベットへと運ぶほどなく目を覚ますDD「DD?」目の前には心配そうにのぞき込むGG『あ、ごめん、大丈夫だから』そういうDDの顏は真っ赤だ「まだ無理しちゃだめだよ」そう言っておでことおでこをくっつけて熱を確認するGGドアップの顏が目の前に来て顔から火が出そうになる「氷持ってくるから待ってて❣起き上がっちゃだめだよ!」あれだけ誘惑してきた割には純情な反応するDDを微笑ましく思いつつからかうGGだった同居し始めてからバスルームから響いてくる歌声にDDは思わず覗いてしまうそこには泡と戯れながら楽しそうに歌うGGふっ♡DDに気づくことなくあわあわで遊び続けるGGは子供のように愛らしいモコモコエピローグ【そして今】そういえば僕が初めて泊まった時僕の裸を見て倒れちゃったことあったねあの頃のDDって純情だったよね❣今はアワアワで体も洗ってあげられるほど成長しました♥ふふん♥1話から読みたい方はこちらからどうぞ(*^-^*)『YiZhan創作:春の日⑴【早朝散歩】』これはBLファンタジーです。実在人物とは無関係です。*4/16「朝のお散歩」ブログから好きな推しで想像を広げて楽しんだとのmarianさんのコメントを参考に…ameblo.jp

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    YiZhan創作:春の日【番外編ver1純情DD】